Jarrett Renshaw Timothy Gardner
[ワシントン 4日 ロイター] - トランプ米大統領は4日、米石炭業界の支援に約7億ドルを振り向けると表明した。アジア向け輸出と、米電力会社による国内消費を後押しする狙いがある。冷戦時代の緊急権限である国防生産法(DPA)を発動する。
同法は1950年に制定され、国家安全保障にとって重要とみなされる産業に対して大統領に広範な権限を与えている。
トランプ氏はこの法律を活用し、10数カ所の石炭火力発電所の改修資金を調達し、2つの新たな石炭火力発電所の建設資金を支援するほか、西海岸の石炭輸出ターミナルの建設を支援する。
トランプ政権は、人工知能(AI)データセンターへの電力供給を確保し、他国への依存度を低減するため、エネルギー政策を国家安全保障上の問題として位置づけてきた。
当局者によると、資金の半分以上は13基の石炭火力発電所の改修に充てられる。アラスカ、メリーランド、ウェストバージニアの石炭関連施設と、北カリフォルニアのウェストゲートウェイ石炭輸出ターミナルにも追加資金が投入される。
1990年には米国の電力供給の半分以上を占めていた石炭は、電力会社がより安価な天然ガスや再生可能エネルギー源に移行したため、現在では5分の1以下にまで減少している。
この計画を巡っては、石炭から排出される微粒子状物質が、心臓病や肺疾患などの健康問題の要因になり得るとする環境保護活動家から非難の声が上がる一方、全米鉱業協会からは、消費者をエネルギー価格の変動から守りつつ、増加する電力需要を支える燃料源の生産を強化すると称賛する向きもある。