アメリカに比べると、ヨーロッパの多くの国、特に家族を支える制度が充実している国では、このトレンドはそれほど顕著ではなかった。

子育て支援金や有休の育児休暇といった制度が整っている国は、孤独感が低い傾向があった。

「現代の中年層は他国の同世代に比べ、住宅費や医療費、介護費の増大や経済不安の増大、社会的安全網の低下に直面している」とインファーナは言う。「我々の調査結果は、そうしたプレッシャーが積み重なって心と体の健康や認知機能に目に見える影響が刻まれていることを示唆している」

「中年期は幾つもの負担が重なる時期でもある。子育てしながら高齢の親を支え、仕事をやり繰りして金銭負担を乗り越え、自分たちの老後のことも考える。社会的・経済的状況がさらに悪化した場合、中高年はあまりにも負担が多すぎて、そうした衝撃を吸収する余地が少なくなる」

ニュージャージー州に住むローレン・ムーア(46)にとって、今回の調査結果は思い当たることばかりだった。本誌の取材に応じたムーアは、中年世代の多くにとって燃え尽き症候群は「共通の特徴」になっていると語った。

医療現場で働きながら子育てをしていたムーアは、さまざまな負担を乗り切ろうとする中で、自分が「ロボット」になったように感じていたという。共働き世帯の多くが同じようなプレッシャーにさらされているはずだとムーアは言う。

睡眠時間や自分のための時間はいつも不十分なまま。燃え尽き症候群に至る悪循環だった。

ムーアは言う。「燃え尽き症候群の真っ只中にいた時は、自分がそうなっているという認識はなかった。仕事のストレスが増大すると、少なくなったリソースで同じ成果を挙げるための解決策として、もっと懸命に働いた。その一方で、家庭ではいつも埋め合わせしようと無理をして、罪悪感から休息や好きな活動を犠牲にすることも多かった」

「そのせいで健康状態が急激に悪化して仕事から一歩離れ、自分の生き方を見つめ直すことになった。振り返ってみると、自分が無視していた燃え尽き症候群や慢性的ストレスの兆候は3つあった。私はいつも具合が悪く、以前は楽しんでいた活動にも充足感を感じなくなり、社交活動にも参加しなくなっていた」

忙しさは自慢すべきこと?
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