日経平均株価はいよいよ7万円を突破し、年初から早くも2万円の上昇となりました。新たなステージに駆け上がった日本株市場では、投資マネーはAI・半導体関連に集中しています。いくつかの大型株は市場の関心から取り残され、ソニーグループ<6758>もまた同様です。
前期は過去最高益を更新し、5000億円規模の自社株買いや増配を発表したにもかかわらず、株価は大きく調整したままのソニーですが、7月末には今期の第1四半期決算が控えています。ここで本業の収益力に光が当たれば、投資家の関心を呼び戻せるかもしれません。
AI相場に置いていかれたソニーのいま
この一年、投資家の関心はAI関連銘柄へ向かいました。アメリカのエヌビディア<NVDA>をはじめ、日本株ではアドバンテスト<6857>や東京エレクトロン<8035>、キオクシアホールディングス<285A>といった、AIとの結びつきが明確な企業に投資マネーが集中しています。
その中でソニーグループの株価が伸び悩んだ背景には、いくつかの理由があります。ひとつは金融事業の分離です。ソニーフィナンシャルグループ<8729>のスピンオフ(昨年9月に分離上場)により、決算は従来よりも複雑になり、本業の実力が見えにくくなりました。
もうひとつはゲーム事業です。買収したアメリカのゲーム会社Bungieに関連する減損処理でM&A戦略への疑念が高まり、投資家心理を冷やしました。そこにAI関連株への資金集中が重なって、市場の関心はソニーから離れていったのです。
■過去最高益でも評価されなかったが
一方で、業績そのものは堅調です。前期(2026年3月期)の営業利益は1兆4475億円で、過去最高を更新しました。さらに今期(2027年3月期)は1兆6000億円を見込んでいます。配当も増配を継続し、5000億円規模の自社株買いも発表しました。
シンプルに企業として評価するなら、安定成長を続ける優良株と言えるでしょう。それでも投資マネーを振り向けることはできず、投資対象としてのソニーは相対的に出遅れました。
ただ、現在の株価低迷は、一時的な要因が重なった結果でもあります。この7月にかけて、市場の評価を取り戻すことが期待されています。