<大半の保護者はもちろん、多くの若年層も一定の規制には同意している>
[ロンドン発]スターマー英政権は6月15日、子どもの福祉・学校法を通じて16歳未満の主要ソーシャルメディア(SNS)利用を禁止する方針を発表した。18歳未満を対象としたライブ配信の制限や見知らぬユーザーによる接触の制限など、より広範な規制も合わせて導入される。
政府は来春の施行を目指している。政府が実施したパブリックコメントに11万6000件を超える意見が寄せられ、保護者の9割が16歳未満のSNS利用禁止を支持し、若年層の3分の2も一定の規制に同意した。昨年12月に同様の規制を導入したオーストラリア方式を踏襲した。
16歳未満はTikTok、Instagram、Facebook、X、YouTube、Snapchat禁止。16~17歳はライブ配信やゲームの見知らぬユーザーとのチャット機能は「オフ」に初期設定される。AIチャットボットの疑似恋愛機能は18歳未満への提供が禁じられる。
最大の焦点は「いかにして禁止措置の実効性を担保するか」
最大の焦点は、いかにして禁止措置の実効性を担保するか。政府は通信規制当局に顔年齢推定や身分証照合を活用した効果的な年齢確認の手法について調査を命じた。しかし年齢を正確に識別するのは技術的・プライバシー保護の観点から容易ではない。
先行するオーストラリアでは施行後も6割以上の子どもが依然としてSNSを利用し続けているとの調査結果もあり、実効性の低さが白日の下にさらされている。英国でも規制を回避するためにVPN(仮想プライベートネットワーク)の利用が急増するのではとの懸念が根強くある。
業界内から「準備期間が短いのはAppleやGoogleのOS・アプリストア側で一括管理する方式を想定しているからでは」との不満が噴出している。過度の規制は子どもをより危険な闇のネット空間へ追いやり、SNSを精神的支えとしてきた若者を孤立させるリスクも指摘されている。