Sudarshan Varadhan Sam Li Colleen Howe
[シンガポール/北京 16日 ロイター] - 中国最大級の炭鉱で起きたガス爆発事故や、インドネシアの輸出政策を巡る混乱を背景に、石炭の供給が世界的に圧迫されている。アナリストや業界関係者によると、米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて液化天然ガス(LNG)の供給逼迫が続く中、石炭価格には上昇圧力がかかる可能性が高まっている。
イランを巡る戦闘で要衝ホルムズ海峡の海運が停滞し、日本や韓国が高品位炭の調達を進めたため、国際指標である豪ニューカッスル積み石炭価格はトン当たり150ドル超と、約2年ぶりの高水準に近づいた。
一方、インドネシア産を中心とする低品位炭は、中国やインドの需要が低調だったため、購入が伸び悩んでいた。両国は十分な在庫と再生可能エネルギーによる発電を活用し、電力需要を賄ってきた。
しかしアナリストによると、こうした状況は変化しつつある。中国・山西省の炭鉱で先月発生した爆発事故で死者が出たことを受け、省当局が大規模な安全点検を実施。国内供給が引き締まり始めているという。
DBXコモディティーズのアレクサンドル・クロード最高経営責任者(CEO)は、中国の6月の一般炭(サーマルコール)輸入量は、季節的な需要増加と国内供給の逼迫を背景に、前年同月比27.6%増の2780万トンに達すると見通しで、需要が鈍かった5月までと様相が一変すると見られている。
さらに、インドネシア政府が全ての石炭輸出を新設の国営企業ダナンタラの管理下に置く方針を打ち出したことで、市場の不透明感は一段と強まっている。
クロード氏は「山西省での安全規制強化と、インドネシアのダナンタラへの管理移行によって海外向けの供給が細った」と指摘。「在庫という緩衝材は薄くなっている。需要が底堅い一方で供給が制約されているため、短期的な価格リスクは上振れ方向に傾いている」と述べた。