Chris Kirkham Marie Mannes

[15日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラは同社の運転支‌援システム「フルセルフ⁠ドライビング(FSD)」の欧州での承認獲得に向け、スウェーデンとオランダの規制当局に自社作成の安全データを提出したが、交通安全に関する独立研究者らはこれについて、誤解を招くマーケティングに等しいものだと指摘している。

先月発表されたロイターの調査によると、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)ら幹部は過去1年間、FSDが人間のドライバーよりも最大10倍安全であることを証明しているとして、いくつかのデータを多く引用。しかし、無効なデータ比較が存在することが判明した。

4月にオランダが承認決定を発表すると間もなく、テスラはスウェーデン当局に対し、同様の承認を求めるメールを送付。FSDを使用するテスラ車は事故発生までの走行距離が米国の平均的な人間のドライバーの7倍以上とする誇張された主張を示すスライド資料を添付していた。

また、このプレゼンテーション資料では、FSDがあれば3万2000人の命を救い、190万人の負傷を防ぐことができた可能性があると主張していた。

ロイターが取材した研究者らは、これらの数字は極めて誤解を招くものだと指摘。その根拠として、貨物トラックや事故を起こしやすいオートバイを含む米国の全ての車両が、FSD搭載のテスラ車に置き換わるとする非現実的な仮定に基づいていること、そして全てのテスラ車が置き換えられる車両よりも少なくとも7倍安全という前提があるためという。

ロイターの調査では、テスラがFSD搭載車におけるエアバッグ作動を伴う事故率を、はるかに軽微な事故も含む全米車両の事故率と比較することで、同技術の安全性を誇張していることも判明。同社はまた、自社の車を全米平均の車両と比較しているが、テスラの平均車齢はそれよりはるかに新しい。自動車メーカーは事故を減らすための新しい安全機能を徐々に導入しており、この比較は結果をゆがめている。

テスラはコメント要請に応じなかった。

オランダ当局はロイターが指摘した安全データに関する問題についてコメントを控えたが、決定を下す際に「マーケティング上の主張や外部の統計には依拠していない」とし、公道やテストコースでシステムに対する独自の「試験、分析、検証」を行っていると述べた。

スウェーデン当局は、テスラが提供したデータについてコメントを控えたが、「表面的な数字だけにとどまらず」審査しており、このようなシステムの評価は「集計された安全性の主張のみに基づくのではなく、提示された証拠全体に基づいて行われる」と述べた。

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