[シドニー 15日 ロイター] - オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所は15日公表した報告書で、中国が豪州に軍事攻撃を行う能力は今後10年間で著しく高まるとの見通しを示した。ただ、最も差し迫った脅威はサイバー攻撃や海底通信ケーブルの切断を通じて生じるとした。

同研究所は、現在開発されている新型長距離ステルス爆撃機や、豪州に近い基地へのミサイル・航空機配備の可能性が、長期的な脅威を「迅速かつ劇的に」高める恐れがあると指摘。

「中国は遅くとも2018年以降、太平洋島しょ国での基地確保を積極的に模索してきた。そうした基地が実現すれば、豪州中央部が爆撃機の作戦行動圏内に入り、攻撃の頻度を高めることが可能になる」とした。

中国はインドネシア諸島のチョークポイント(要衝)を通じて豪州の海上貿易を妨害する強力な能力を有しているため、近い将来の脅威に通常兵器は必要ないという。

同研究所は、中国が南シナ海の拠点に配備したミサイルで、豪州北部をすでに攻撃できる状態にあるとも指摘した。

中国は豪州にとって最大の貿易相手国で、豪州の輸出のほぼ3分の1を占める。

ただ、豪州は太平洋地域で中国が影響力を拡大していることに引き続き警戒感を強めており、同地域での中国の恒久的な軍事プレゼンス確立を防ぐため、太平洋島しょ国との安全保障協定締結を進めている。南太平洋は長年、豪州と米国の勢力圏と見なされてきた。

ローウィー研究所は「中国の軍備増強は、同国が豪領土を攻撃できるかどうかにかかわらず、豪州の安全保障に影響を及ぼす形でインド太平洋地域のパワーバランスを再構築しつつある」と指摘した。

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