Karin Strohecker

[ロンドン 11日 ロイター] - 独立系の助言専門投資銀行ラザードは11日、新興市場国の債務状況が複雑化しており、それが借り入れコストの上昇や債務再編の遅れを招く恐れがあるとの見解を示した。

2020年以降、担保付き融資や経済成長率・輸出額に連動する債券など、複雑な仕組みを持つ債務の普及が爆発的に進んだ。背景には、富裕国による援助削減、借り入れコストの高騰、コロナ禍からロシアによるウクライナ侵攻に至るまで、さまざまな要因がもたらすリスクを回避しようという動きがある。

しかしラザードは11日の報告書で、そうした複雑化は一部の投資家から資金調達を多様化する革新的な手法と称賛されているが、後で手痛いしっぺ返しが待ち受けている可能性があると警告した。

ラザードのマネジングディレクター、ピエール・カイユトー氏は「債務が極めて複雑になってきているため、全体を簡素化する必要がある。そうでないといつか必ず借り手である国々がその代償を払うことになるだろう」と語った。

このような変化は「フロンティア」経済圏として知られる、より小規模でリスクの高い国々で特に顕著だ。

債務再編を加速させるために幾つかの複雑な金融商品が登場したケースもある。例えばザンビアでは債券の支払額が債務持続性の改善に連動し、スリランカでは国内総生産(GDP)実績に結び付けられた。

一方、アンゴラ、ナイジェリア、セネガルは国際金融資本市場での債券発行の代替手段として、実質的に自国の国債を担保に借り入れるトータル・リターン・スワップ(TRS)を活用している。

これらについて国際通貨基金(IMF)は、不透明で複雑な債務になり得ると警戒感を示した。

多国間の貸し手が、借り入れ国のデフォルト(債務不履行)時の損失から保護される「優先的債権者ステータス」を維持できるかどうかの不確実性が、懸念に拍車をかけている。

カイユトー氏は「請求権の順位に関する透明性の欠如と、こうした種類の偶発債務商品(将来ある条件やイベントが発生した場合のみ支払い義務が生じる商品)の導入や普及が組み合わさることで、債権者が債務を分析し、自分たちが請求権の順位のどこに位置するのかを判断することが非常に困難になっている。これは債務の力学を変えつつある」と説明した。

世界銀行は債務に関する「抜本的な透明性」を求めており、債務の複雑化(特に国家偶発債務商品=SCDIの使用)は、ワシントンで開催された最近のIMF・世界銀行会合における主要な議題となっている。

カイユトー氏は、債務危機に陥った国々にとって通常「最後の貸し手」となるIMFや他の多国間開発銀行から融資を受けるためには、債務の透明性を義務化すべきだと述べ、「透明性を強制力のあるものにする必要がある」と付け加えた。

また同氏は投資家が新興国債務に対して求めるプレミアムが記録的な低水準に近いことに触れ、これは「ある程度の熱狂」の兆候で、リスクが過小評価されている可能性があると指摘した。

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