Valerie Volcovici Jason Lange

[ワシントン 11日 ロイター] - 人工知能(AI)を支えるデータセンターの建設が急ピッチで進むことを容認している米国民は3人に1人にとどまり、大半が自分の住む地域での建設に反対していることが、ロイター/イプソスの調査で明らかになった。

調査結果はデータセンターの急増に対して国民の不安が広がっていることを反映している。この問題は、11月3日の中間選挙を前に、有権者や関係者にとって関心の高いテーマとなっている。

トランプ政権は、中国を競争上のライバルと位置付けてAIの急速な開発を優先させており、この分野に関連するインフラの許認可を加速させるよう政府機関に指示している。

調査は6日間にわたり全米の4531人を対象に実施し、8日に締め切った。データセンターの急ピッチでの建設は主に良いこととの見解に同意したのはわずか33%で、64%が同意しなかった。

データセンターの急速な建設への支持は、民主党支持者よりも共和党支持者の間でやや高かった。

調査対象者の57%は、自分の住む地域でデータセンターが建設されることに反対するとも回答した。これには民主党支持者の3分の2、共和党支持者の半数が含まれる。自分の近くにデータセンターが建設されても構わないと答えたのは、わずか14%だった。

データセンターを追跡する調査会社クリーンビューによると、米国では現在710のデータセンターが稼働しており、さらに1062件のプロジェクトが計画されている。

<電気料金上昇を懸念>

AIのアルゴリズムを動かすには、データセンターが膨大な量の電力を消費する必要がある。こうしたプロジェクトは広大な土地を要し、大量の水を消費する一方で、大規模な長期雇用増の可能性は低い。

中間選挙を前に、上院選でメーン州からの立候補を目指す進歩派候補グラハム・プラットナー氏ら一部の民主党候補は、データセンターが電気料金を押し上げるリスクを訴え選挙運動を展開している。ガソリンの全米平均価格が2カ月以上にわたり1ガロン=4ドルを超える中、インフレ高進を巡る共和党の弱みを突く狙いがある。

調査回答者の77%は、AIによって電気料金が高くなることを懸念していると回答した。これには共和党支持者、民主党支持者、無党派層がほぼ同じ割合で含まれていた。

調査回答者の1人で、インディアナポリス郊外のハンコック郡の農村部に住む通信会社のシニアプロジェクトマネジャー、マーク・トンプキンズ氏(65、共和党支持)は「非常に心配だ。電気代は今でも高い」と語った。

インディアナポリス都市開発委員会は、開発業者DCブロックスによる20億ドルのデータセンター開発計画を審議する見通し。4月の公聴会では計画への反対の声が相次いだが、それでも審議が行われる。

別の共和党支持者で、インディアナ州サウスベンドに住む退職者ローレン・スミス氏(72)も、データセンターやその関連インフラの建設スピードと、計画を巡る開発業者や地元当局の透明性の欠如を懸念していると述べた。

スミス氏は「政治家は、税制優遇措置として企業に何を提供しているかについて極めて秘密主義的だ」と話し、データセンターが中間選挙で自身の関心事の上位3位に入ると付け加えた。

データセンターへの懸念は、AIの急速な拡大が労働市場を一変させかねないという、より広範な不安と関連している。調査では、米国民の半数がAIによって自分または家族が職を失う恐れがあると感じていることも分かった。

国民の反発に直面し、14の州が新たなデータセンター計画の一時停止を検討、または検討中となっている。

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