自分自身でなんとかなるものならいいのですが、結果的に父やわたしたち姉妹に多大な迷惑をかけてしまう。そこまで考えが及んでいないのか、わかっていてもそうせざるを得ない性分だったのか、そのあたりは謎のままです。そのくせ、自分が助けを必要としている時には、誰にも頼れない。弱音を吐けない人、そういう不器用な人でもあったのだと思いますね。

一方で、母は娘のわたしから見ても、魅力的な人でもありました。明るくて好奇心旺盛で、一緒にいるととても楽しい人なんです。姉の容子が、天使と悪魔が同居していると言ったことがありますが、それにはわたしも同意します。

実の親が患者でも、医師として「いつも通り」でいる驚き

──そんなお母様が「癌末期」でケアが必要な状況に。状況を教えてください。医師である岡山さんに葛藤はありましたか。

岡山: 特に葛藤はなかったんです。癌末期であれば自分が主治医にならないとおそらく自分の気が済まないと思っていました。

母はいつも通り、「癌なんてみんな騒ぐけど大げさよ。こんなの大したことないわ」とか言うんです。そんなことばかり言うので、「オバハン、このテープ、このテープというのは医療用麻薬なんですが、テープ、はがしたろか!」って怒鳴ったら「すみません」って。「ああ、母でも謝ることがあるのか」と思いました。どちらも通常運転です。

代替医療にハマる母…
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