Shinichi Uchida Takahiko Wada

[東京 11日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁が入院したことに伴う政府・日銀の連携への影響について木原稔官房長官は11日、「政府との連携も含め、日銀の政策業務運営に支障が生じることはない」との考えを示した。市場では15、16両日の金融政策決定会合での利上げが有力視される中、利上げの次を見据えた情報発信に注目が集まる。会合後の記者会見を代行する内田真一副総裁の発信を見極める構えだ。

複数の関係者によると、日銀は次回会合で1%への利上げを検討する。重要物資の代替調達が進み、経済の下振れリスクが後退する一方、企業物価指数が高い伸びを示すなど物価上振れのリスクが高まっていることが背景にある。1%への利上げが決まれば1995年以来31年ぶりの高水準となる。

日銀内では、6月に利上げした後も、利上げを続けていく必要があるとの声が多い。1%への利上げ後も金融環境はなお緩和的との見方が漂う。市場では「引き続き金利を調整していくという基本姿勢は変わらないだろう」(みずほ総合研究所の酒井才介・主席エコノミスト)との声が支配的だ。

一方、市場には「不確実性が残るのは記者会見」(JPモルガン証券の藤田亜矢子チーフエコノミスト)との声もくすぶる。会合を代行する内田副総裁自身も公の発言機会からは距離があるため、「微妙なニュアンスを読み取るのは難しい側面がある」(民間シンクタンク)との指摘がある。

ただ、内田氏が重要な局面で情報発信を担うのは今回が初めてではない。24年2月の講演では、長く続いた異次元緩和解除後の姿を詳細に語ることで市場の織り込みを促した。同年8月に日銀の利上げや米雇用統計の悪化で市場が大きく動揺した際には「金融・資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」と明言し、市場の沈静化をはかった。政府内には「(会見代行に伴う情報発信に)心配はない」(関係者)との声がある。

会合後の記者会見では、利上げ判断と同時に、国債買い入れの中間評価に対する説明責任も求められる。日銀内で金融政策立案の中核を担ってきた内田副総裁の発言次第では、市場が揺れる展開も予想される。

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