Takahiko Wada Leika Kihara
[東京 9日 ロイター] - 日銀は6月の金融政策決定会合で点検する国債買い入れ計画で、2027年4月以降について減額の一時停止を検討する見通し。複数の関係筋が明らかにした。国債市場の機能度は改善しており、これ以上買い入れを減らすと金利の安定に影響するとの警戒感が背景にある。一方、日銀内にはバランスシートの着実な縮小を重視する声も根強く、現時点で減額停止が既定路線とまでは言えないという。
四半期ごとに2000億円ずつ買い入れを減らし、27年1―3月に月間買い入れを2.1兆円とする現行計画については、修正しない公算が大きい。
植田和男総裁は3日の講演で、段階的な国債買い入れの減額で「国債市場の機能度は着実に改善してきている」とする一方で、市場の安定にも言及。最近では銀行や個人の国債保有が増えてきているが「ポートフォリオ調整にはある程度の時間を要する」とし、国債市場の安定に向け、需給バランスに配慮する姿勢を示した。
日銀では、これまでの減額で市場機能度が改善してきたことで、これ以上の減額は不要との意見が増えている。27年4月以降も買い入れの減額を進めた場合に、需給のバランスに悪影響を与えて金利が不安定な動きになることへの警戒感が出ている。
現行計画に沿って27年3月まで減額を進めた場合、日銀の国債保有残高はピーク時より約2割減る見通しだ。さらに、買い入れ額を償還額が上回ることで、同年4月以降に月間買い入れを2.1兆円で据え置いた場合でも保有残高は年40兆―50兆円のペースで減少していくとみられている。買い入れの減額を停止しても、バランスシートの正常化が相応のスピード感で続くことは、減額停止を後押しする。
一方で、日銀のバランスシートは現状663兆円で、13年の異次元緩和開始前の158兆円の4倍超の高水準。バランスシートの大部分を占める国債保有残高を一段と減らすのが望ましいとの見方もあり、決定会合での票決は分かれる可能性がある。
27年4月以降の買い入れについて、5月に日銀が開いた債券市場参加者会合では減額の継続と減額の停止双方の意見が出ていた。