<FRB新議長に就任したケビン・ウォーシュは量的緩和に否定的だったはずだが…トランプの利下げ路線と持論とを矛盾なく両立させるためのただ1つの解は?>

FRB(米連邦準備理事会)の新議長に、元理事のケビン・ウォーシュ氏が就任した。トランプ米大統領は、前議長だったジェローム・パウエル氏の政策を強く批判しており、利下げを求めてきた経緯がある。トランプ氏はウォーシュ氏を信頼しているとされ、ウォーシュ氏も利下げに言及するなど、一見するとトランプ氏の意向に従っているように見える。だが同氏のこれまでの発言などからは、トランプ氏の方向性とは反対の主張を持つ人物と考えたほうが自然だ。この矛盾はどのような形で金融政策に反映されるのだろうか。

ウォーシュ氏は金融大手モルガン・スタンレーを経て、ブッシュ政権の経済担当補佐官などを務めたのち、FRB理事に就任した。パウエル氏が選ばれた際も候補として名前が挙がっており、市場やワシントンの信頼が厚い人物であることは間違いない。

ウォーシュ氏はかねてから、中央銀行が国債を大量に買い入れて市中にマネーを供給する量的緩和策に対して否定的な見解を示してきた。現在のFRBは役割を拡大させすぎていると批判しており、金融正常化を強く主張してきた人物である。

同氏の持論はまっとうなものだが、トランプ氏が求める方向性とは相反している。トランプ氏は気まぐれで政策を進めることがあるため、どこまで金融政策に明確なポリシーを持っているのか不明だが、少なくとも景気を最優先しており、FRBの利上げに否定的であることは間違いない。

トランプ氏が複数回にわたりパウエル氏を罵ったのは、パウエル氏が利上げをもくろんでいたからである。トランプ氏はウォーシュ氏を信任しているとみられることから、一部の市場関係者はウォーシュ氏が利下げを実施すると予想しているが、彼の持論に照らし合わせた場合、必ずしもそうとは言えなくなる。

利下げと正常化の両立は困難だが
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