自分の物語を録音し、遺族が後から会話形式で質問

ハリソンが生み出したものは並外れているように見える。だが、じっくり向き合うほど見慣れたものに思えてくる。

祖先を祭る祭壇から、故人の写真や髪を納めたロケットペンダントまで、人は常に死者を身近に感じる方法を見つけてきた。道具は変わるが、死者を身近に感じたいという欲求は変わらない。

ただしAIは道具だけでなく、死者との絆そのものの性質も変えた。写真は記憶を残す。だがベルソナのようなグリーフ(悲嘆)ボットが残すのは、故人とやりとりしているような感覚だ。

グリーフボットが返してくるのは、相手がどんな人だったかというイメージだけではない。その人がそこにいるかのように振る舞うのだ。そうすることで、悲嘆を大きく揺さぶる「不在」という状況を静かに変えてしまう。

「苦しみが和らぐのは、母との絆、母とつながる能力が完全には断ち切られていないと思えるからだ」と、ハリソンは言う。

そうした変化を軸に生まれているプラットフォームは、ユー・オンリー・バーチャルだけではない。「ヒアアフターAI」は、人々が自分の物語を録音し、遺族が後から会話形式で質問できるようにしている。

「ストーリーファイル」は、生きている人や最近亡くなった人へのインタビューを基に、対話型の動画アバターを生成する。「レプリカ」の製品は一般的なAIコンパニオンとして売り出されたが、利用者には死別を経験した人が何百万人もいる。

悲嘆は学習の一形態