横軸に1人親世帯と2人親世帯の貧困率の差、縦軸に子どもの学力の差をとった座標上に、データが取れる32カ国のドットを配置すると<図2>のようになる。日本は両軸とも大きいので、右上にある。1人親世帯と2人親世帯の経済格差、その結果としての子どもの学力格差が、他の先進国と比べて大きいと言っていい。

日本は子どもの教育格差が小さい国と言われるが、比較するグループを変えると、こういう現実も浮かび上がってくる。離婚率が高まる中、とりわけ1人親世帯の問題には注意を払う必要がある。2020年のデータだと、18歳未満の子の10.1%が1人親世帯の子で、沖縄では15.4%にもなる(「国勢調査」)。6人に1人だ。少数派ではない。

1人親世帯の困窮は、ジェンダーの問題と重なっている。男女の賃金格差の是正、養育費の不払いの解消に向けた取り組みを進めていかなければならない。子ども世代の教育格差に転化し、貧困が再生産されるのを防ぐためにもだ。

1人親世帯と2人親世帯の学力格差は、都市部ではより大きいと推測される。前者の相対的貧困が際立つためだ。塾通いできるか否かも響く。通塾の費用を補助すればいい、という話ではない。全ての子どもの学力を底上げし、ウェルビーイングを保障することは、公教育の使命だ。これを学校が実践できるようにするには、教員を膨大な雑務から解放し、教えることの専門職として授業に注力できる環境を作る必要がある。

<資料>
OECD「PISA 2012」
OECD「Family Database」

【グラフ】先進国の15歳生徒の読解力比較(2人親世帯と1人親世帯の差)
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