スターバックスは韓国で特別な存在だ。2024年末時点で韓国の店舗数は2009店を超え、人口が韓国の約2.4倍の日本を初めて上回り、米国、中国に次ぐ世界3位に浮上した。ソウル市内だけで600店以上が軒を連ね、人口1人当たりの店舗数はアメリカや中国をも上回る。限定タンブラーを求めて早朝から行列ができることも珍しくなく、スターバックスは単なるコーヒーショップを超えて、韓国の都市文化に深く根付いた存在となっている。そのスターバックスが、いま韓国社会の分断を映す鏡となっている。
民主化運動を侮辱?
韓国スターバックスの販促プロモーションを巡って与野党が対立している。同社が5月18日に「タンクデー」プロモーションを告知すると「5・18民主化運動(光州事件)」を侮辱しているという批判が起き、政府与党を巻き込んだ不買運動に発展した一方、保守系野党・国民の力は「国家権力が民間企業に集団リンチを加えている」と反発、スターバックスの利用を呼びかけた。
韓国スターバックスは5月15日から26日までダンティ、タンク、ナスのタンブラープロモーションを企画し、5月18日に「タンクデー」と銘打った503mlの台湾メーカー製のタンク・タンブラー2個セットを10%引き、503mlと133mlのタンブラーセットを21%引きで提供するプロモーションを告知した。給水タンク(water tank)に由来するタンク・タンブラーは韓国のほか日本やオーストラリア、タイなどでも販売されている。
なぜタンブラーのプロモーションが問題なのか? それは5月18日が韓国現代史でもつ意味を説明する必要がある。