美容業界の専門メディア「beautymatter.com」のレポートによると、ベモトリジノールの承認を求めている企業は、FDAの認可を得るために20年の歳月と何百万ドルもの巨費を投じてきたという。
つまり、ベモトリジノールには世界的な使用実績と高い安全性の記録があるものの、FDAは「アメリカ市場で新しい有効成分を承認する前に、独自の厳格な審査プロセスを求めている」とゴハラは指摘する。
その結果、他の国々に比べてアメリカで承認されているUVカット成分の数は比較的少ない。それは単純に「承認プロセスが長く、要求が厳しいからだ」とゴハラは言う。「目的は消費者の安全性確保だが、その代償として、イノベーションの成果がアメリカの消費者に届くのは、世界の他の地域に比べて遅くなってしまう」
一部の専門家は、この厳格すぎる規制そのものにリスクがあるとさえ考えている。
「危険な副作用を伴う可能性のある試験的な新薬であれば、そこまでの厳密な審査も理にかなっている。しかし、海外で何十年も安全に使われてきた、肌に塗る日焼け止め成分に対して、同じレベルの精査を行うのは的外れだ」とパイプスは指摘する。
「皮膚がんとの闘いにおいて、規制の遅れは決して無害ではない。当局が優れた日焼け止めの市場投入を何十年も阻んでいる間に、アメリカ国民は『現代のリスク』に対して『過去の防御策』で立ち向かうことを余儀なくされている」
ベモトリジノールが承認されたからといって、「SPF30以上の幅広い波長に対応する日焼け止めを塗る、日陰を選ぶ、UVカット効果のある衣服を着用する、といった基本に取って代わるわけではない」とゴハラは強調する。それでも、この新しい成分によって「紫外線対策がより手軽で、より魅力的なものになる」と彼女は言う。
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