コンゴ民主共和国で、この10年間で最悪レベルのエボラ出血熱のアウトブレイク(感染症の爆発的拡大)が発生中だ。WHO(世界保健機関)によれば、5月末時点で疑いがある例を含めて死者は少なくとも220人に上り、感染者は900人。感染は隣国ウガンダにも広がっている。
だが問題は流行の封じ込めだけではなく、「その後」だ。
エボラは治れば終わりではない。大多数の回復患者が、神経系・筋骨格系の症状や視力障害に何年も悩まされかねず、エボラ流行前から医療制度が疲弊していた国にとっては慢性的な負担になる。
第2の衝撃波も襲いかかっている。1月にWHOを脱退したアメリカは、グローバルヘルス資金拠出などを削減。
そのため感染症流行との闘いだけでなく、後遺症治療に不可欠な現場の対応力が弱体化している。診断インフラの制約で、WHOの当局者によれば、拡散中のエボラウイルスの感染検査は1時間に数件実施するのがやっとだ。
「進行中の事態は単なる地域的危機ではない」と、米コロンビア大学公衆衛生大学院のトアイ・ゴー教授は本誌に語る。
「これは、富裕国が自分たちも守っていたシステムから撤退するなか、世界が最初に受けるストレステストだ」
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