AI(人工知能)革命を率いたのは、間違いなくアメリカだ。オープンAI、アンソロピック、グーグル、メタ、エヌビディア──AIを象徴する企業は、ことごとくアメリカで生まれて、アメリカの大学に育てられ、アメリカのベンチャーキャピタルの投資を受け、アメリカの政治家たちの称賛を浴びてきた。
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ところが、テクノロジーが進化するスピードに、アメリカの政策立案のスピードが追い付いていない。進展のない議論が長年続いた末、今年3月にホワイトハウスがようやくAI関連の基本戦略を発表したが、その文書「AI政策枠組み」はA4の用紙でたった4ページのものだった。
この文書では、AIをめぐる競争に「勝利」するべく、州ごとに関連の法規制が異なる状況を改めて「全米規模の基準」を設ける方針を打ち出した。しかし、これはあくまでも提案にすぎず、法制化までにはまだ長い年月を要する可能性がある。
太平洋の向こう側の状況はまるで違う。中国には、バイトダンス(北京字節跳動科技)、ディープシーク、百度(バイドゥ)、アリババ、騰訊(テンセント)、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)といったAI関連企業が存在するだけでなく、アメリカとは比較にならないくらい強力な国家レベルのAI戦略がある。その戦略は、産業政策、エネルギー計画、軍事戦略、さらには中国共産党の統治機構と一体化している。
アリババの創業者である馬雲(ジャック・マー)は2020年10月に政府の金融規制を批判した後、3カ月ほど公の場から姿を消し、表舞台に戻ってきたときにはすっかりおとなしくなっていた。この一件が中国のテック業界に送ったメッセージは誤解の余地がなかった。それは、イノベーションは一定の枠内で行われ、その枠は政府が決める、というメッセージである。