アジアの在庫は夏には底をつく
EIAによると、SPRを除く原油在庫は4億4500万バレルで、5年平均を約2%下回っている。ディーゼル燃料や暖房油などの留出油は、例年レベルをさらに大きく下回っている。
◾️米国からの輸出が急増
エネルギーアナリストのトム・クロザは本誌に対し、価格上昇は「始まったばかり」だと語り、この統計が「懸念を一気に高める可能性が高い」と指摘した。
米石油会社ガルフ・オイルのチーフエネルギーアドバイザーを務めるクロザはさらに、業界関係者は米国のガソリンやディーゼル価格への影響を「楽観視しすぎているように見える」と述べた。
みずほフィナンシャルグループのエネルギー先物部門ディレクター、ボブ・ヨーガーによると、現在の取り崩しペースが続けば、原油在庫は9週間以内に4億バレルを下回り、2014年以来の低水準になる見通しだ。
その頃には東アジアや欧州諸国は「在庫が底をつく」状態となり、米国からの輸入需要がさらに高まって、在庫の減少が一段と加速するという。
米コンサルティング会社ラピダン・エナジー・グループ創業者兼社長のボブ・マクナリーは、「在庫取り崩しはこれまで緩衝材として機能し、原油価格のさらなる急騰を防いできた」と説明する。「しかし、この夏に在庫が運用上の最低水準まで低下し、緊急時の放出をする余裕もなくなれば、その緩衝効果は失われる」
「その後は、ホルムズ海峡で失われた供給分は需要を減らして補うしかなくなる。そのためには、さらに高い原油価格が必要になる」
次のページ