事実なら、深刻な男性不妊症の患者にとって、選択肢が劇的に拡大する可能性を秘めた「偉業」だ。
米ユタ州のスタートアップ企業パターナ・バイオサイエンシズは先日、人工的に育てた人間の精子で初期胚を形成したと発表。米誌ワイアードによれば、同社は精子を作る幹細胞が完全な精子に成熟するよう、体外環境で誘導することに成功したという。
今回の達成は手始めにすぎない。パターナの研究は未査読で、再現性も確認されていない。それでも従来の予測を大幅に上回り、同社は早ければ来年にも体外で形成した精子による妊娠の試験を開始する予定だ。
完全に機能するヒト精子の体外形成は、研究者の長年の目標だ。マウス精子では既に成功例があり、2011年に日本の科学者チームが画期的研究を発表している。だが、人間の場合ははるかに複雑だ。
パターナの研究では、精巣組織の生検サンプルから精子幹細胞を分離。計算モデルを用いて、精子形成の各段階における分子シグナルを解析し、成長因子の組み合わせを検証したという。
妊娠の選択肢が残っていないと告げられた人々にとって大きな転換点だと、同社の共同創設者・CEOで、泌尿器科医のアレクサンダー・パストゥシャクは本誌宛ての声明で述べている。「無精子症や精子の質に問題があったり、体外受精(IVF)が失敗続きだったりしたせいで、私は医師として、あまりに多くの男性とそのパートナーにもはや医学にできることはないと言わなければならなかった」
初期研究の結果から判断すると、パターナが体外で作成した精子の構造は正常で、受精能力もあるという。「人間の卵子を受精させ、胚を形成した。認識している限りでは、人類史上で初めてだ」
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【note限定公開記事】体外で精子を作れたら? 男性不妊に新たな希望の光
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