有効な予防策やワクチンは?

──有効な予防策やワクチンはあるのか。

中国と韓国ではそれぞれ不活化ワクチンが開発され、実際に使用されている。ただし、WHOや米食品医薬品局(FDA)からの正式な承認は得ていない。また、DNAワクチンやmRNAワクチンの研究も進んではいるが、現時点で世界的に承認されたものはない。

問題は、こうした病気は一度ニュースになると注目されるが、落ち着くとすぐに忘れられ、資金が集まらなくなることだ。ワクチン開発には膨大な費用と時間がかかる。しかし患者数が少ない病気では、企業が利益を出しにくく開発が進まない。そのため政府や国際機関が支援し、必要なワクチンや治療薬、診断薬を作る必要がある。

──今後、研究開発への機運は高まるか。

ハンタウイルスだけでなく、世界にはもっと多くの深刻な感染症がある。例えば結核やマラリアだけでも年間200万人近くが死亡している。ほかにも低中所得国には10億人以上が苦しむ数々の感染症がある。しかし、日本を含む高所得国では、これらの病気が注目されることは少なく、資金も集まりにくい。

今回ハンタウイルスが注目されているのは、先進国の人々や日本人が関わっているからでもある。私は、こうしたときこそ「世界にはもっと深刻な病気がある」ということにも目を向けてほしいと思っている。

日本の体制は?
【関連記事】