<ウェールズでは1922年総選挙以来続いていた連勝記録にストップがかかった>

[ロンドン発]先の英統一地方選で大敗を喫し、新興の強硬右派政党「リフォームUK(改革英国)」のさらなる台頭を許したキア・スターマー首相(労働党)がいよいよ崖っぷちに追い込まれている。次の首相の座をうかがうのはマンチェスター市長のアンディ・バーナム氏だ。

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地方選で労働党はイングランドで1498議席減、スコットランドで5議席減。牙城だったウェールズでも地域政党「プライド・カムリ」とリフォームUKの後塵を拝し、21席減となった。ウェールズ労働党は1922年総選挙以来続いていた連勝記録についに終止符を打った。

今回の地方選は2029年8月までに予定される次期総選挙の「中間テスト」と位置付けられる。このままでは次期総選挙で壊滅的大敗を喫するのは避けられないため、労働党内でくすぶり続けてきた「スターマー下ろし」の動きが一気に加速した。

「英国は共に歩む国家ではなく『異邦人の島』になるリスクがある」

スターマー氏の退陣を求める下院議員が100人近くに達し、重要閣僚のウェス・ストリーティング保健相が反乱の狼煙を上げた。「あなたのリーダーシップに対する信頼を失った今、職に留まり続けることは不名誉であり、原則に反する行為と結論づけた」と閣僚を辞任した。

「冬季燃料手当の削減といった政策上の個々のミスから『異邦人の島』演説に至るまで挙げればきりがないほど多くの理由がある。これらのミスによって国民は私たち(労働党)が何者なのか、私たちが本当に何を支持しているのか分からなくなった」(ストリーティング氏)

「異邦人の島」とはスターマー氏が移民管理の強化をアピールするため欧州連合(EU)離脱派の「コントロールを取り戻す」というスローガンを使い「公平な移民ルールがなければ、英国は共に歩む国家ではなく『異邦人の島』になってしまうリスクがある」と訴えた問題演説だ。

選挙地盤の分断と支持層の断片化
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