需要の弱さの背景には何が?
W杯ほど世界的な求心力を持つイベントであっても、旅行者の熱意は渡航先が安定していて安全だと感じられるかに左右される。
全米旅行協会のジェフ・フリーマン会長兼CEOは「来訪者は試合を観るためだけに訪米するのではない。アメリカを体験するために来るのだ」と指摘する。
各種調査や業界関係者への取材を通じて、現在の需要の鈍さの背景にドル高や航空運賃の上昇、トランプ政権下のアメリカ訪問に対する不安があることが浮かび上がった。
5月上旬、120を超える団体が参加予定者に警告を発し、アメリカへ渡航する際には注意を払うよう促した。
ハードマンは「ビザ手続きへの懸念、旅行費用の上昇、交通機関への追加料金、そして一部の開催市場で議論されている増税は、いずれも不確実性の一因となっている。慎重に対処しなければインバウンドに影響を及ぼしかねない」と懸念を示している。
ダンダパニも「連邦政府のビザに対する苛烈な対応」を大きな抑止要因として挙げた。
また、AHLAの調査では、ホテルのオーナーや運営事業者の70%が、ビザの障壁と「より広範な地政学的懸念」が「国際需要を大きく抑え込んでいる」と答えた。
AHLAの広報担当者は本誌に対し、「先行指標は、まだチャンスが残されていることを示している」と語った。「スタジアムは満員になると見込んでいる。しかし、それを実現するには、ただ、その機会を最大限に生かすには、アメリカとFIFAが、海外からの旅行者をきちんと歓迎し、恙無く過ごせる環境を整えなければならない」
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