エネルギー問題が米欧関係に圧力


今回の摩擦は、イラン攻撃を受けてエネルギー市場の緊張が高まる中で起きた。石油やガス輸送の要衝であるホルムズ海峡は国際的な懸念の焦点であり、その混乱が価格上昇を招き、西側同盟国に経済的圧力を与えている。
 

米軍削減が実施されれば、NATO内で激しい議論を招く可能性が高い。特に東欧の同盟国は、地政学的な不安定が続く中で、欧州における強固な米軍プレゼンスの維持を米政府に求めてきた。

メルツは、2月28日に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始した直後、3月3日に訪米してトランプと会談している。その際、メルツはイラン現体制後を見据えた戦略でワシントンと協力する用意があると述べる一方、長期化する紛争が世界経済に深刻な打撃を与えるリスクを警告した。


こうした懸念は、ホルムズ海峡の再開に向けた米国とイランの交渉が合意に至っていないことで一層深まっている。戦争開始前には世界の石油供給の約2割が通過していたこの重要な航路は、攻撃開始以降、事実上閉鎖された状態が続いており、欧州の指導者の間でエネルギー供給と経済安定への不安が高まっている。

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