沖縄の名産「グルクン」、実は鹿児島産
もちろん北の海ばかりではなく、著者の暮らす鹿児島の海でも、沖縄周辺でよく見るアオブダイ、ヒブダイなどカラフルな魚をよく見るようになったらしい。しかもサメ類が増えたため、漁業に大きな影響を与えているとのことだ。
定置網に入る魚種もすっかり変わりました。沖縄ではまとめてグルクンと呼ばれる、人気の高いタカサゴやクマササハナムロなどのタカサゴ科の魚が獲れるようになりました。逆に沖縄ではグルクンが大不漁で、観光客向けの外食産業には不可欠な魚であるため、今では鹿児島から沖縄に出荷しているのです。(66ページより)
こんなところからも分かるとおり、海水温の変化はさまざまな影響を及ぼしているようだ。したがって、温室効果ガスの排出量を減らすべく、経済・産業活動と日常生活を変容させる必要がある。
とはいえ、そうした取り組みの成果はすぐに出るものではない。特筆すべきは著者が「漁業における目下の課題は、海洋生態系の変化を受け入れ、それに柔軟に対応していくこと」と指摘している点だ。
環境が変わって減る魚がいれば、増える魚も必ずいます。減少する魚を追いかけるのでなく、新たに増えた魚を利用する技術や新しい需要を柔軟に創造するほうが建設的です。前述のように、北海道の周辺海域ではサンマやスルメイカ、サケなどの漁獲量が減少した代わりに、マイワシが激増しています。サンマの代わりにマイワシを食べれば、食料確保という点では全く問題ありません。(70ページより)
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