6月会合は

今回利上げを見送ったことで、市場の関心は次回6月の決定会合で利上げするかに移っている。

植田総裁は、6月よりもう少し先のデータで今回の物価上昇圧力が表れる可能性が高いと指摘した。物価がもっと上がるリスクが高い場合、それを待たずに政策判断することはあり得ると指摘。ホルムズ海峡閉鎖中でも場合によっては利上げという判断もあり得るとした。物価の上振れリスクが顕在化してきた場合、もしくは、リスクが高まりつつある一方で「大きな景気調整が起こるリスクがある程度制限されている状況の場合には利上げに至る」と明言した。

植田総裁は、物価高が二次的波及を見せれば利上げが必要になると述べる一方で、「当面はヘッドラインのインフレ率は少し大きめに上昇するが、基調物価の上昇を直ちには意味しない」と指摘した。ただ、企業の賃金・価格設定行動が積極化しているもとで、期待インフレ率がはっきり上昇して基調物価が上振れるリスクに注意し、政策運営がビハインド・ザ・カーブ(後手に回る)に陥ることがないよう、様々なデータや情報を丁寧に点検しながら、次回以降の会合で適切に政策を判断していきたいと話した。

第一次オイルショックに見舞われた1970年代前半との違いについて、植田総裁は、70年代前半は経済が過熱し、物価も賃金もすでに高い上昇率だったところに原油価格の高騰が起きて事態が深刻化したが、今回の中東情勢の緊迫化の前には経済が過熱しているわけでもなく、物価上昇率2%、賃金上昇率は物価プラス生産性の上昇率を大きく超えて上昇しつつある状況ではなかったと指摘。「1970年代前半のような状況になる可能性はそれほど高くないと考えている」と述べた。ただ、「初期条件的な意味では、現実の政策金利が中立金利を下回っているので、その点は注意しつつ政策運営していきたい」と話した。

[ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
Copyright (C) 2026トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
ニューズウィーク日本版 世界宗教入門
2026年5月5日/12日号(4月28日発売)は「世界宗教入門」特集。

イラン戦争の背景にある三大一神教を基礎から読み解く[PLUS]宗教学者・加藤喜之教授の「福音派」超解説

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます