制裁をかいくぐる「影の船団」

世界の原油タンカーの動きを追跡・分析する民間調査機関タンカー・トラッカーズによると、米国とイスラエルが2月28日に攻撃を開始して以降、同海峡を通過するタンカーは戦前の1日平均138隻から、現在は3.4隻まで減少した。

現在ホルムズ海峡周辺で追跡されている船舶には150隻のタンカーが含まれ、そのうち100隻は、主にマレーシア経由で中国に原油を運んでいるとみられる。米国などの対イラン制裁をかいくぐって原油を運ぶ「影の船団」だ。

戦争初期には、少なくとも2隻のタンカーがイランのミサイルや高速艇による攻撃を受けて炎上する映像が確認された。

しかし直近2週間では、航行データサイトの分析から、一部の船舶がイラン沿岸に近い特定のルートを通ってホルムズ海峡を通過しているとみられる傾向が浮かび上がった。

さらに、イランが料金所を設け、200万ドル相当の通行料を人民元や暗号資産で徴収しているとの報告もある。

トランプは、イランに通行料を支払った「すべての船舶」を国際水域であっても拿捕するよう米海軍に指示した。「違法な通行料を支払った者に安全な航行はない」と述べている。

作戦を担当する米中央軍は、取り締まり対象の船舶は「イランの港湾および沿岸地域に出入りする船舶」で、より限定的だと説明している。

北京・復旦大学のアンドレア・ギセリ准教授は、オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所向けの分析で、「封鎖の最終的な目的は不明確だ」と指摘する。

「一つの可能性は、特に中国などイラン産原油を輸入する国に圧力をかけ、イランに米国の条件を受け入れさせることだ」と、ギセリは言う。「しかし、イラン原油取引に関与した中国所有船が海峡を通過したというなら、この仮説は成り立たない可能性がある」

◾️ホルムズ海峡の船舶通航量

── 2月20日以降、AIS(自動船舶識別装置)データに基づく通過数

代替ルートの紅海側を攻撃されたら
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