イランの大口顧客、中国はどう出る?
中国外務省は、この封鎖のエスカレーションを「危険で無責任」と批判した。
郭嘉昆報道官は14日、米国の逆封鎖措置は「対立を激化させ、緊張を高め、停戦を損なって、海峡の安全航行にさらなる悪影響を与えるだけだ」と述べた。
さらに「海峡の航行が妨げられている根本原因はイランでの戦争であり、解決策は早期の全面停戦だ」と強調した。
中国はイラン産原油の最大の顧客であり、輸出全体の9割以上を購入している。「影の船団」の主要な受け入れ先でもある。ホルムズ海峡が混乱すれば、中国にも直接ダメージが及ぶ。
もっとも、中国の輸入原油全体に占めるイラン産の割合は約13%にとどまる。ユーラシア系コンサルティング会社マクロ・アドバイザリーのクリストファー・ウィーファーCEOは、この封鎖は中国にとって不便ではあるが、他の輸入国と比べて特段影響が大きいわけではないと指摘する。
また、中国はエネルギー供給の多様化や陸上輸送ルート、約100日分とされる戦略備蓄により、近隣諸国より危機に対する対応力が高い。
ただし危機が長期化すれば、世界第2位の経済大国である中国も影響を受ける。特に石油化学、航空、海運、重輸送分野が脆弱だ。
さらに、この封鎖のタイミングについて、5月中旬に予定されているトランプと中国の習近平国家主席との会談に影響を及ぼす可能性があるのではないかとの疑問が浮上している。
ラピダン・エナジーのモデルは、トランプが米中首脳会談のために強硬姿勢を改める可能性は低く、会談自体を頓挫させる可能性も低いとみている。
「米中首脳会談でも、体面を保った形でイラン戦争に決着をつけるというトランプの決意が揺らぐことはない」と、モデルは言う。
「中国のほうも、機会主義的な外交介入を除けば、戦争終結に向けて追加的な圧力を行使する意思を示していない」
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