[ロンドン 12日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバルは12日、中東での紛争勃発を受けた拙速なソブリン格付けの引き下げは行わないと述べた。一方で、原油やガス価格の高騰が、すでに財政難に陥っている国のリスクを高めていると警告した。
同社の主要アナリストらはウェビナーで、米国・イスラエルによる対イラン攻撃や、イランによるイスラエル、米軍基地、湾岸諸国への攻撃を含むこの紛争が、低リスクから中程度のリスクシナリオに移行しつつあると述べた。
大半の湾岸諸国は危機を当面乗り切るための財政余力を十分に備えているが、格付けの低いバーレーンは明確な例外だという。また、現時点で兆候はないものの、紛争を受けて多額の預金流出が発生した場合には、カタールの銀行部門が苦境に立たされる可能性があると指摘した。
S&Pのソブリン格付けグローバル責任者、ロベルト・シフォンアレバロ氏は「性急に状況が悪化したと断定したくはない」としつつも、危機が長期化するほど事態は困難になると述べた。
同氏はまた、多くが湾岸地域からのエネルギー輸入に依存しているアジアを、中東に次いで影響を受けやすい地域に挙げた。
インド、タイ、インドネシアは石油備蓄が比較的少なく、パキスタンやバングラデシュ、スリランカといったすでに重い債務を抱える国は、エネルギー価格の上昇でさらに財政が圧迫される見通しだ。
「こうした国々の信用状況がどう推移するか注視している」と同氏は語った。