170店舗以上のスナック、ふたりの中国人が全店舗の経営者

御堂筋線の動物園前駅に近い「飛田本通商店街」には、中国人経営のスナックが多い。著者が地元の不動産会社社長に「いつからこうなったんですか」と聞くと、「気がついたらこうなっとったんです」と返事が返ってきたという。

アーケード内に170店舗以上のスナックがあり、たったふたりの中国人が全店舗の経営者というのだから驚くしかない。

 

「前からの商店街は廃れてしまって、ほとんどシャッター街になってたんですよ。そこにコロナが来たでしょう。ほんで余計に外に出んようになったりしてたら、いつの間にか全部中国の店になってたんですよ」
 おそらく賃貸や売買の契約を取り仕切ったのも宅建業の免許を持つ中国人だったのだろう。(135ページより)

大阪でありながら中国であり、中国でありながら、日本各地からやってくる出稼ぎ労働者たちのふるさとになっていた――。

入ってみたカラオケスナックについて、著者はこう記述している。中国経済圏は徐々に、しかし確実に出来上がっているようである。

『強欲不動産――令和バブルの熱源に迫る』
『強欲不動産

 ――令和バブルの熱源に迫る』

 吉松こころ・著

 文春新書

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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『この世界の中心は、中央線なのかもしれない。』( 辰巳出版)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。

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