困難な決断も

法王は、キューバとの間の渡航や通商に新たに制限を課したトランプ大統領の昨年の決定を悲しく受け止めたと話す。トランプ氏の決定により、前任のオバマ大統領が実施したキューバとの関係改善路線が巻き戻された。法王は、バチカンも仲介に一役買ったオバマ氏の取り組みは「前向きの良き一歩」だったと振り返った。

法王は、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱したトランプ大統領の決定について、「人類の未来がかかっており、少し痛みを感じた」と述べた。また、トランプ氏が方針を再検討することを望むと語った。

中国の司教任命問題について、法王は、任命権を巡る中国政府との話し合いは、「良い地点にきている」と述べて、法王に忠誠を誓う信徒を見捨てる結果になる恐れがあるとの批判を否定した。中国のカトリック信者は、ローマ法王に忠誠を誓い、公認されていない「地下教会」と、国が公認する「中国天主教愛国会」に分れている。

法王は、性的虐待とその隠ぺい疑惑を巡るスキャンダルで、チリの司教3人の辞任を認めている。法王は、さらに辞任を受け入れる可能性があると述べたが、どの司教が念頭にあるかは明かさなかった。

法王はまた、米国のレイモンド・レオ・バーク枢機卿を始めとする教会内の保守派からの批判についても言及した。

バーク枢機卿と他の枢機卿3人は2016年、法王に対して異例の批判を行う書簡を公開。法王が重要な倫理上の問題について混乱を招いたと主張した。

法王は、枢機卿の書簡について「新聞で知った」とした上で、「それは教会的なやり方ではないが、誰しも間違いを犯すものだ」と述べた。

法王は、異なるものの見方を内包する余地をたたえた川の流れに教会をなぞらえたイタリア人枢機卿(故人)の例えを引用。「われわれはお互いに尊重し合い寛容でなくてはならない。もしもし誰かが川の中にいるなら、前進しよう」と、法王は述べた。

法王は、法王庁の改革は順調なものの、「まだやるべきことがある」と話した。法王は過去に、法王庁のキャリア職員は「精神的アルツハイマー病」にかかっていると批判していた。

法王は、過去にスキャンダルが多発した法王庁の財政の改革におおむね満足していると述べた。数百もの休眠口座や疑わしい口座を閉鎖したバチカン銀行は、「今では良好に機能している」と述べた。

「中には困難な状況もあり、いくつか強力な決断をしなければならなかった」と、法王は話した。

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

Philip Pullella

[バチカン市国 20日 ロイター]

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