しかし、今日のスマートフォンの一般的な使い方、すなわち、電話をする、SNSでコミュニケーションを取る、写真を撮影する、といった一般的な使い方に加え、スマートホームやライドシェア、音声認識などの新しい領域を含めても、2年前のスマートフォンで十分役に立つ。

アップルの優位性を高止まりさせる戦略

iPhone SEが、2015年リリースのモデルとして存続している点から、アップルもそうした考えを持っているとみてよいだろう。

これまで発展途上だったスマートフォンはスペックが重要だったが、アップルはパソコン市場においても、スペック競争に終始しないことを強調してきた企業だ。iPhoneがスペック重視から、デザインや色を強調する展開へと移行することは、「スマートフォンの価値観をスタイルへ」という大きなコンセプトの転換となる。

toyokeizai170328-sub3.jpg
液晶画面側は白い

「真っ赤なiPhoneが欲しい」という動機は、スペックとは異なる価値観で顧客の行動を生み出すことになるからだ。アップルはiPhone10周年という節目を利用し、スマートフォンの価値観転換をアピールしようとしているのではないだろうか。

もちろん、スペック面やデザイン面で最先端をいくハイエンドのスマートフォンはリリースし続けている。一方ではスマートフォンの買い換え周期の長期化傾向が見えてきており、アップルはアプリやApple Musicなどのサービス収益の成長に力を入れてきた。スタイルとアプリを重視したスマホ市場こそが、アップルの優位性を高止まりさせるからである。

REDモデルには、iPhone 10周年の年に、スマートフォンの価値観転換をより明確に示していこうとするアップルの戦略も隠されているのではないだろうか。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
toyokeizai_logo200.jpg