脱北者を対象にソウル国立大が実施した調査によると、事業を行う北朝鮮市民にとって、最大の試練は資金調達だという。当局者への賄賂と、時折行われる市場活動での取り締まりが、それに続く。

 秘密の送金チャンネルを使う冒頭の脱北男性は通常、中国の銀行に金を送金する仲介人と手を組むという。中国の代理人によって金は集められ、中朝国境を越えて運ばれる。

 この男性は親戚や知人を通じて、見通しを入念に調査している。

 数年前、彼はカッピング(吸角)療法用機器を北朝鮮市民数人に送った。この機器は中国医療で使用されるもので、韓国で1台約20ドルで購入した。彼らは北朝鮮で3倍以上の価格で売ったという。

 男性が資金援助した事業の様子を収めた写真を、現地ブローカーが中国のモバイルネットワークに接続した携帯を使って彼に送ってきた。

 彼の秘密計画は2006年、中国で中古の2.5トントラックを500万ウォン(約46万円)で購入したことが始まりだった。トラックを受け取った北朝鮮市民は物品運搬で生計を立てるようになった。

 2014年には、ある裕福な支援者が彼の活動を応援してくれるようになったという。彼は支援者の身元を明かさなかった。

 この脱北男性は、彼が支援する北朝鮮市民に「欲深くならず、他の貧しい市民を助けて、尊敬を受けるように」と伝えたという。「これはUSBメモリーよりも効果的だろう。生活を直接支援するからだ」

 (Ju-min Park記者 翻訳:高橋浩祐 編集:下郡美紀)

[ロイター]
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