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2階の執務エリアにあるカジュアルなミーティングができるソファスペース。エッセントでは、社員がいつどこで働いてもいいように、オフィス内の様々なところに社員が自由に使えるスペースを用意。固定席をなくしたことで、これらのオープンスペースが有効活用されている。

週1日しか会社に来ない人がいてもかまわない

 言われてみれば、オフィス内にも、チームスピリットを醸成、キープするための仕掛けが散見される。コーポレートカラーであるピンクを多用しているのは「エッセントにいる」ことを常に意識してもらうため。無料のコーヒーメーカーを複数置き、その場のちょっとした立ち話を促してもいる。

 もっとも従業員がより好むのは、不思議と有料のカフェのほうだとか。「コーヒーが美味しいからではなさそう」とブロウメルス氏は見る。同僚と話をしながら入れたての本格コーヒーを買うという行為のためにわざわざ有料カフェに集まるのではないかと。それこそ自宅勤務では味わえない体験だ。

 従業員は、「いつでもどこでも働ける」自由を謳歌しながらも、オフィスの価値、仲間の価値を忘れることはない。オフィスが好きで週4で出勤する従業員もいるという。

「何日出勤しても『来なくていい』とは言いません(笑)。逆に週1日しか来ない人がいても構わない。選択肢があるということが重要なんです。もちろんチームのベストパフォーマンスに貢献するのが大前提。しかし働き方は個人に委ねられる。そのチームにおいて、どんな働き方なら自分はハッピーでいられるのか。皆がそう考えて、思い思いの働き方を選択しているのです」

「モノをどう配置するか」から「どう働くか」への転換

 エッセントのチェンジマネジメントは、単なるオフィス空間の変化に留まるものではない。自宅勤務に象徴されるように、働き方の革新を伴うドラスティックなものだった。

 エッセントのワークスペースの変遷をたどれば、コストとメンテナンスを減らして効率化を図るという点で一貫している。80年代はごく伝統的なオフィスレイアウト、90年代はオープンスペースに。しかし2010年代に入ると、働く環境そのものを変える動きが芽生えた。

 そこで重要なのは、空間にモノをどう配置するかではなく「どう働くか」の視点だ。プロジェクトのタイトルは『How Do We Work Together』とずばり題されている。今や、オフィス設計はファシリティ部門だけで担えるものではない。事実、今回のプロジェクトもITやHR、ファシリティなど各部門の共同によりプランニングされたものだ。

 ブロウメルス氏はマネジャーとしてプロジェクトに関わった人物の1人。ファシリティデザインや仕事の文化的変化の将来に関する部分に携わった。その仕事はファシリティそのものに限定されるものではないと自認している。

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(左上)2階の執務スペース。部署の業務内容によっては固定席を持つところもある。(左下)2013-2014年度Dutch Workplace AwardsでNo.1に輝いた際に授与されたオブジェ。(右)1階オープンスペース奥のミーティングブース。オープンではあるが、囲われ感があることで落ち着いて話に集中できる。