<急激な近代化は台湾の環境に何をもたらしたのか>

夜明けの海辺や夕闇迫る水田......台湾の美しい自然の風景の背後に、アンバランスな建築物や照明が写り込む。「台湾『美景』」と題した一連のシリーズで私は、急激な近代化が台湾の環境に何をもたらしたのか、私的な観察と肌で感じた経験を形にした。

それぞれの風景の中に忍び込むのは、私自身だ。大画面をバックにたたずみつつ、顔にはストロボを当てて白く飛ばした。台湾の美しい風景の前に立つ顔のない人間からは感情が読み取れず、制御不能で視界を奪われ、方向性を見失った者の姿が現れる。

一見すると壮観な自然の風景にも、不条理な人工物や環境危機が見え隠れしている。顔のない人間を置くことによって私は、周りの環境に無関心で、現実を見ようとしない人々を超現実的に描き出した。

新型コロナウイルスが地球上の人類全てに強烈な影響を与えている今、立ち止まって考えるべきときなのかもしれない。私たちはどんな人生を、どんな環境を望んでいるのだろうかと。

――呉政璋(フォトグラファー)

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【T 霸与稲田 2011】高速道路沿いに立つT字形の巨大広告は商業主義によって生み出されたもの。中部・彰化県の水田に設置されたこの広告は、稲と同じように数も大きさも成長している。農業も広告業も、懸命に働き、実りを得るという点では同じかもしれない
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【佳冬 2011】台湾南部の屏東県佳冬は魚の養殖で有名な地域。2011年にこの地の養殖池を訪れたとき、私の身長より高く張り巡らせた送水管を目にした。養殖池の運営のためにはパイプが必要なのかもしれないが、その光景は興味をそそられるものだった
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【広告看板 2011】T字路の交差点に色も形も目的もさまざまな看板が並ぶ。もちろん、これらが人々の視線を集め、その広告費にお金を払う人がいるからこそ、これだけの看板が路上に設置される。広告に挟まれたカーブミラーなど、もはや誰の目にも留まらない
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