<エルサルバドルのギャングメンバーは、服役中の刑務所内でキリスト教福音派に改宗する者が多いが、それでも悪の連鎖からは自由になれない>

エルサルバドルは20年以上、ギャング間の抗争による暴力に苦しんでいる。2015年には西半球で最も高い殺人率を記録。ギャングと政府の血まみれの抗争を避け、国を去っていく国民が後を絶たないのが現状だ。非営利組織の国際危機グループによると、640万人の人口のうち、ギャングのメンバーは6万人、ギャングと何らかの関わりがある者が50万人いるという。

昨年に新議会が発足したものの、政治家はギャングを撲滅せず、抑制する政策を取るだけ。その結果、刑務所の収容人数は上限を大幅に上回ってしまった。

刑務所内ではキリスト教福音派へ改宗する人が多い。北東部のサンフランシスコ・デ・ゴテラにある刑務所がいい例だ。「18番街」と呼ばれるギャング組織での活動により有罪となった1500人は、いま全員が熱心な福音派信者になった。

ただ、改宗して全ての受刑者が救われるわけではない。ある者は再び罪を犯し、ある者は過去の因縁から抹殺された。福音派が「最後の手」を差し伸べても、悪の連鎖から自由になれない運命を背負っているのかもしれない。

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ギャング組織「18番街」の抗争相手が描いたグラフィティ。死んだメンバーにささげた絵で、仲間の死により苦しむ悪魔と天使が描かれている
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出所したカルロスは車で首都を目指す。顔にギャング名のタトゥーがあるため同乗者に毛布で隠された。敵に出くわすと全員の命が危険だ
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【ウィルフレッド】亡命した両親のもとロサンゼルスで育つ。06年にエルサルバドルへ送還、「18番街」の支局を創設。服役中に福音派に改宗し16年に出所
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【ラウル】額に彫ったタトゥーを消すため、レーザー処置を受けている。「罪人になりたいと思って育ったが、今は普通の生活を送りたい」