<ファッション写真での成功を足掛かりに、写真の可能性を芸術の域へと押し広げた>

単なる写真家の枠を越えたアメリカ文化のアイコン的存在――こう形容して申し分ない人物が、リチャード・アヴェドンのほかに何人いるだろうか。ファッション写真での成功を足掛かりに、スターから市井の人まであらゆる人物を撮影。写真の可能性を芸術の域へと押し広げた。自身をモデルにした映画も公開された。

アヴェドンが既に絶頂期にあった1964年にアシスタントとして働き始めたのが、ギデオン・ルーインだ。以後、独立するまでの16年間にわたり、彼は濃密な白黒ポートレートで知られるアヴェドンの仕事を傍らで見つめ続けた。

日本の冬山からメキシコの海岸まで。ヴォーグやハーパーズ・バザーなどの雑誌を彩った美女たち。花盛りのアメリカ文化の一翼を担った写真家の仕事風景を、ルーインは折に触れて撮り続けた。

後に自身も写真家として成功したルーインの「アヴェドン時代」を収めた作品集『Avedon: Behind the Scenes 1964-1980』が、今月出版された。そこには、アヴェドンの作品作りの知られざる内幕が鮮やかに記録されている。

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1964年にニューヨークで開かれた個展で壁一面にコラージュされた作品群に見入るアヴェドン
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控え室でヘアメーク中の女優・モデルのレネ・ルッソ
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撮影で訪れたメキシコの海岸で「日焼けチェック」をするアヴェドン

Photographs from "Avedon: Behind the Scenes 1964-1980" by Gideon Lewin, published by powerHouse Books