<ヒッピームーブメント真っただ中の60年代のカリフォルニアは「人類の未来の実験場」だった>

往年の名写真家、デニス・ストック。数々のハリウッド・スターを撮り、なかでも夭逝した俳優、ジェームズ・ディーンとの関係はよく知られている。スターに駆け上がる直前、雨の中たばこをくわえるディーンの姿を写した一枚は、彼が死後、伝説になったことで歴史に残る作品とされている。

ストックは米カリフォルニア州を「人類の未来の実験場」と呼んだ。彼が撮影のため州内を旅した1960年代末は、特にそんな雰囲気だった。折しもヒッピームーブメントの真っただ中。社会、文化、政治において、世界全体が揺れ動いていた。

当時のカリフォルニアは、時代の最先端のあらゆる要素を内包していた。「性の解放」や薬物による精神世界の探求を追い求める人々もおり、保守的な人間にとって「非現実的」で恐ろしい場所、とストックはカリフォルニア州を形容している。

州内のシエラネバダ山脈から美しい砂浜、スピリチュアルな冒険に身を投じる人々、最先端の科学技術......。多面的な風景を99枚の白黒写真で捉えた写真集『カリフォルニア・トリップ』は、時代の価値観を映す古典的名作になっている。

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州南部の沿岸都市サンディエゴの道路 ©Dennis Stock/Magnum Photos
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ネバダ州との州境のタホ湖近くの道路標識によじ登る男性 ©Dennis Stock/Magnum Photos
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ベニスビーチに寝そべる人々 ©Dennis Stock/Magnum Photos