――「カニクリーム・クロケット」と「エビフライ」は、アメリカ料理にもある?

コロッケの由来はフランス発祥の「クロケット」だと思われるが、スペイン料理だと「クロケッタ」になったりと、ヨーロッパ各国にある料理だ。

カニクリームコロッケに近いアメリカ料理として思い浮かぶのは「クラブケーキ」だが、クリームが入らない。エビフライで言うと、アメリカにも「ポップコーンシュリンプ」など小さなものはあるが、日本のように海老を伸ばして真っすぐな状態で使うというスタイルはあまり見かけない。

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「バー・モガ」のカニクリームコロッケとエビフライ Satoko Kogure-Newsweek Japan

日本のコロッケとエビフライには粒の荒いパン粉を使うが、ポップコーンシュリンプリンプなどに使われるのは「ブレッド・クランブ」と呼ばれるもの。日本のパン粉より粒が細かくて、市販品はスパイスやシーズニングが入っているものが多い。

だが最近のアメリカでは「パンコ」という言葉が通じるほど日本のパン粉が使われるようになってきた。レストランのメニューに「パンコ・フライド・〇〇(パン粉で揚げた〇〇)」と書いているところもあるほどだ。

日本のパン粉のほうが粒が大きい分、サクサクに仕上がる。うちのお店では乾燥させていない生パン粉を使っていて、より粒が大きいのでサックリというよりザックリという食感になる。

――お店で一番人気のメニューは?

断トツでオムライス。他のメニューの2~3倍は出ている。オムレツ(オムレット)という言葉はフランス語で、ヨーロッパにもアメリカにもある。ただ、チキンライスをオムレツで包んだ「オムライス」は、日本独特のものだと思う。

うちの店では、チキンストック(鶏の出汁)で炊いたご飯をデミグラスソースとケチャップで炒め、それをチキンや玉ねぎと一緒に炒める。チキンライスを型にとって皿に置き、その上に中を半熟に仕上げたオムレツを乗せて、お客さんの前でナイフを入れてチキンライスにかぶさるようにする。最後に、デミグラスソースをかける。

チキンライスの上に半熟オムレツを乗せて切り開くのは伊丹十三監督の映画『タンポポ』(85年)で有名になり、お店ではおそらく「日本橋たいめいけん」が最初だったと思う。アメリカ人でもその映画を観て知っている人は多いし、今だと京都の「ザ・洋食屋キチキチ」というお店のオムライス映像をYouTubeで観て行く外国人が多いと聞く。

僕も柔らかいタイプのオムライスが好きだし、プレゼン的にも面白いし、今回はそのスタイルでやってみた。

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断トツで人気のオムライス。ここからオムレツにナイフを入れて切り開く Satoko Kogure-Newsweek Japan

ただ、このオムレツ動画が色々な媒体に紹介されると(実際に食べてない人からのコメントに)意外にも「気持ち悪い!」というのが多くて。

お店ではこれが一番人気だし、実際に食べてくれた食通のニューヨーカーには好評だが、海外の人みんなが半熟卵を好むかと聞かれると分からない。アメリカ人は玉子を生で食べない、というのもある。

アメリカでも「サニーサイドアップ(片面焼きの目玉焼き)」を頼むと普通は黄身はガチガチに堅いのではなく半熟なので、アメリカ人でも食べる人は食べるのだが。

【参考記事】NY著名フレンチシェフが休業、日本に和食を学びに来る!

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