上場時の特殊事情ゆえに表面上の配当利回りは低く見えますが、実質的な年間配当額で計算すると利回りは4.2%に達し、高配当株としての魅力を備えています。さらに、710億円規模の自社株買い枠も設定され、総還元の観点でも充実した内容となっています。
ただし、ダイレクトリスティング方式での上場(=直接上場。新株を発行せず既存株式だけを上場する方法)により、金融事業に関心のないソニーグループ株主からの売り圧力(フローバック)が続いている点は留意が必要です。
どちらを選ぶかは投資目的次第
ソニーの事業分離は、成長性重視の投資家にはエンタメ事業のシナジー拡大を狙うソニーグループ、安定性と配当を重視する投資家には割安な高配当株としてのソニーFGという、明確に性格の異なる2つの選択肢を提供しています。
投資家は自身の投資目的やリスク許容度に応じて、この2つの魅力的な投資先を選択することができます。エンターテインメント業界の構造変化と金融業界の安定成長という、異なる成長ストーリーに投資する機会が、今まさに開かれているのです。
[筆者]
山下耕太郎(やました・こうたろう)/トレーダー、金融ライター
一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て、個人投資家・トレーダーに転身。株歴20年以上。現在は、日経225先物・オプションを中心に、現物株・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。趣味はウィンドサーフィン。
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