縮小する集中力との闘い
『ATTENTION SPAN(アテンション・スパン) デジタル時代の「集中力」の科学』の著者で、カリフォルニア大学アーバイン校のグロリア・マーク教授は、人間のスクリーン利用を20年以上にわたって調査してきた。マーク教授は次のように語る。
「2004年には1つのタスクに集中する平均時間が2分半だったのに対し、2016~2020年には平均47秒にまで短縮されました」
この要因として、急速に進化する技術を挙げる。1つのタスクに費やす時間が短くなり、同時に競合する刺激が増加した結果だという。
ネバダ大学リノ校のベリーヒル教授は、人間の集中には「内発的(トップダウン型)」と「外発的(ボトムアップ型)」の2種類があり、現代のメディア環境によって、私たちは即座に結果を得られるように訓練されていると述べる。
「集中すべきときもあれば、環境の変化に敏感であるべきときもあります。この2つの注意力が常に競合しているのです」(ベリーヒル教授)
メンタルウェルネス施設「エピファニー・ウェルネス」で理事を務めるステファニー・ルイス氏によると、集中力は固定された能力ではなく、波のように変動するものであるという。
「集中力は訓練可能で、疲労や混乱の影響も受ける脳のネットワークです。機械の部品のように完全に壊れるということはありませんが、過剰に使えば機能不全を起こしてしまいます」
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