またCPOSTが01年から24年の間に起きた連邦議会議員への脅迫事例(法的に訴追された事例のみ)を調べたところ、トランプ第1次政権誕生の17年以降は年間の発生率が5倍に増えていた。脅迫のターゲットにされた共和党議員と民主党議員の比率はほぼ同じだったという。

カーク殺害や政治的暴力に関するバンス副大統領の発言を深く憂慮するペイプは、バンスと彼のスタッフにCPOSTの一連の調査やデータを「ぜひとも」説明したいと述べた。01年の9・11米同時多発テロ以降、一貫して米政権(第1次トランプ政権も含む)に政治的暴力にまつわる諸問題についての助言を行ってきたペイプは、政治的暴力についての「さらなる議論」が必要だと強調した。

この先の展開を憂えるペイプは筆者に、今のアメリカでは「一方の陣営にある悲しみや恐怖、怒り」が転化して「さらなる暴力」を呼び、模倣犯による犯行を招く可能性があると指摘した。

「今ここにある大きな危険、それは暴力の連鎖だ」とペイプは言う。「左派と右派の双方で政治的な暴力が連鎖的に拡大し、双方の状況がますます悪化しかねない」

では、今の政治家やメディアに望むことは何か。ペイプはこう答えた。「右も左もない、とにかく頭を冷やしてくれ」。そう、敵意をあおる言動はもってのほかだ。

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