<どんなエクササイズも半年も続かない人が50%以上。でも、文明の利器を頼れば、継続可能性は格段に上がる>

どんなトレーニングでも、一番難しいのは続けることだ。通常、エクササイズを始めた人の約半分は半年以内にやめてしまう。

だが、今年3月に学術誌に掲載された筆者らの研究では、スマートウオッチなどのウエアラブル端末を使っている人は、トレーニングに挑戦する可能性が高いだけでなく、半年以上たっても継続している可能性が、端末を使用していない人の7倍にも上ることが分かった。

この研究は、2型糖尿病と診断されて間もない成人を対象に行われた。運動は血糖値の上昇を抑えたり、心臓血管の健康を高めたりと、糖尿病を管理するカギとなる。

それなのに、2型糖尿病患者の9割が定期的に運動をするようにという助言に従っていない。なぜか。やる気になれない、どんな運動がよいのか分からない、個別的なサポートがない、というのがよく聞かれる理由だ。

そこで筆者らはこうしたハードルを乗り越える手段として、ウエアラブル端末やリモートコーチが役に立つかどうか調べることにした。

実験の参加者は、2型糖尿病と診断されて間もないイギリス人とカナダ人の成人(40〜75歳)125人。その全員が、パーソナライズされた6カ月間の運動計画(目標は週2時間半)を専門家に作ってもらった。電話またはオンラインでのサポートも受けた。

さらに参加者の半分はスマートウオッチを与えられて、心拍数などの基礎データを記録するとともに、自身のアクティビティーを追跡した。最新のデータに基づきパーソナライズされたアドバイスが表示されるアプリの使用や、人間のリモートコーチに助言を受ける体制も整えた。

6カ月で驚くべき成果

その結果は驚くべきものだった。スマートウオッチを使用した人は対照群と比べて、定期的な運動を始める可能性が10倍、半年後も活動を続けている可能性が7倍、1年後も(つまり専門家のサポートが終了した後も)活動を続ける可能性が3倍高かった。

また、実験終了時にはスマートウオッチ使用者の半分以上が、推奨される活動水準を達成していた。対照群では17%だ。どうやらウエアラブル端末は着用者をより活動的にし、それを維持する役に立つと言ってよさそうだ。

これは2型糖尿病患者に限った話ではない。例えば、積極的に体を動かす習慣がない成人(45〜75歳)に歩数計と助言を与えたところ、3カ月後には1日の歩数が対照群より約660歩多かったとの研究結果もある。

ただ、ウエアラブル端末が有用な働きをするのは、あくまで着用者が意識的に使用する場合に限られる。例えば、「健康的になる」といった漠然とした目標ではなく、1日または1週間に何をどのくらいするか決めたほうが達成感を味わいやすく、モチベーションの維持に役に立つ。

カレンダーのリマインダー機能などを使って、規則正しい習慣をつくることも重要だ。また友人やコーチに目標を知らせると、サボりたい気持ちを抑えやすくなる。

こうした工夫をしてウエアラブル端末を使えば、短期的な変化が促されるだけでなく、モチベーションや自信が高まって健康的な習慣を維持しやすくなるだろう。

Reference

Hesketh K, Low J, Andrews R, et al. Mobile Health Biometrics to Enhance Exercise and Physical Activity Adherence in Type 2 Diabetes (MOTIVATE-T2D): a decentralised feasibility randomised controlled trial delivered across the UK and Canada. BMJ Open 2025;15:e092260. DOI: 10.1136/bmjopen-2024-092260

The Conversation

Matthew Cocks, Reader, Exercise Physiology, Liverpool John Moores University and Katie Hesketh, Assistant Professor in Exercise Prescription, University of Birmingham

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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