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事件の情報公開を求める人々 ALLISON BAILEYーNUR PHOTOーREUTERS

このスキャンダルは、目をそらせないほど魅力的だ。見苦しい言い訳、卑しい享楽、そして小児性愛......。そんなばかげた振る舞いを、特権意識にまみれた人たちが繰り広げているのだ。一体、誰が目を背けていられるだろう?

金利や関税や、イラン核施設への攻撃の効果などに頭を悩ませるより、はるかに腹立たしく、はるかに面白い。人はいつの時代も、下世話な話に魅了される。そして嫌悪感を覚えれば覚えるほど、関心はかえって強くなる。

ここではエプスタイン事件の概要をおさらいしておこう。それは偉い人たち(現大統領もその1人とみる人もいる)が取ってきた救いようがない振る舞いの雑多なスケッチだ。

監視映像に空白の1分

スキャンダルの発端は05年。14歳の少女の両親による告発を受けて、警察がエプスタインの捜査を開始した。告発の内容はエプスタインがカリブ海の米領バージン諸島に所有する島で、少女にみだらな行為を働いたというもの。地元住民はこの島を「小児性愛者の島」と呼んでいた。

エプスタインは長年、自家用機で少女たちを島に連れて行き「マッサージ師」として働かせていたが、性的なサービスも提供させていたという証言がある。

少女たちを「教育」して斡旋していたのが、エプスタインの愛人だったギレーヌ・マクスウェル。英議員も務めたメディア王の故ロバート・マクスウェルの娘だ。

権力者たちの堕落劇
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