メクトダム1つでイギリスの電力量が賄える?

インド・ニューデリーにある政策研究センターの戦略研究教授ブラーマ・チェラニーは、「中国の超大型ダムは、ヒマラヤから流れ下る栄養豊富な堆積物によるブラマプトラ川の自然な流れを妨げることになる。これは、同河川の生態系にとって大きな問題だ」とXに投稿した。

「超大型ダムはブラマプトラ川での漁業を支え、土壌回復に寄与してきた自然な氾濫サイクルをも破壊する。季節ごとの沈泥(粒径が砂よりも細かく、粘土よりも粗い土。シルト)の供給がなければ、アッサム州およびバングラデシュは、肥沃な天然土壌を失うことになる」

しかし、中国側は上述のような下流域の国々の懸念に反論。 中国外交部の郭家坤も、23日の記者会見で、「メトクダムが完成すれば、ヤルンツァンポ川全域での防災や減災に寄与するだろう。下流地域に悪影響を及ぼすことはない。中国は下流諸国と水循環データの共有、洪水防止、減災といった分野で協力しており、メトクダムプロジェクトについても必要な意思疎通を行っている。今後も河川流域のすべての人々の利益のため、協力を強化していく」と発言している。

メトクダムは、五つの水力発電所で構成され、2030年代に稼働開始予定だ。メトクダムが稼働すれば、三峡ダムを超える規模の発電量が実現するだろう。

このプロジェクトは、新たに設立された国有企業の中国雅江集団有限公司によって運営され、年間3000億キロワット時(kwh)の再生可能電力を生産することを目指している。これは、昨年のイギリス全体の電力消費量に匹敵する。

チベットにはヤルンツァンポ川の他、多くの国際河川の水源が存在している。中国による一方的な河川開発は、新たな国際問題の火種になる可能性もあるのだ。

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