クーデター未遂すら自身のために利用

はっきりさせておくと、トルコの民主制度を切り崩すエルドアンの姿勢は長年にわたるものだ。市民がその権力乱用に初めて反旗を翻した2013年のゲジ公園抗議運動以来、民主主義の規範を容赦なく押し潰してきた。

ゲジ抗議運動を支持し、環境破壊や腐敗統治に異議を唱えた思想的リーダー、オスマン・カバラは「テロリスト」として終身刑に処された。カバラ以外にも、トルコの刑務所は「エルドアンを侮辱した」罪で収監された政治犯であふれかえっている。

2016年には、自身に向けられたクーデター未遂事件を、法の支配や制度的統治を破壊する口実として利用した。トルコのすべての人とすべての機関は、エルドアンへの忠誠と服従を求められる。メディアも例外ではなく、独立系の報道機関がエルドアンの忠臣によって買収されるなど、情報空間は恐怖と誤情報で支配されている。

こうした強権的措置にもかかわらず――あるいはそれゆえに――エルドアンの人気は低下している。

トルコ国民は2024年に行われた統一地方選でエルドアンと与党・公正発展党(AKP)に対して「大敗」の審判を突き付けた。一方、CHPはエルドアンに対する不信任の意を汲み取った地方自治体の大半を掌握した。

エルドアンはこの結果を、自身の内政と経済政策に対する批判と捉えており、2028年に迫る次期大統領選での敗北を恐れるようになった。

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