そんな終わりなき恐怖の感覚こそ、まさにロシアがウクライナ人の心に植え付けたいものだ。彼らは、自分たちはこの戦争を永遠に続けられると思わせたい。ウクライナだけでなく、アメリカや欧州諸国にもそのメッセージを届けたい。そうすればウクライナ国家の存続や防衛にかける気力が徐々に衰えていく。そこにロシア側の狙いがある。

ロシア政府は、この夜の大規模ドローン攻撃も正当な戦争行為だと主張している。ウクライナがロシアの戦略爆撃機の30%を破壊したことへの報復であり、民間人は「巻き添え」になっただけだと。

冗談じゃない。今回の空襲で被弾したイギリスのビザ申請センターは戦争と何の関係もない。オデーサの産科病院に軍隊が潜んでいた証拠もない。でもこれがロシアの戦争なのだ。全てを破壊し、民間人の命など気にしないのが。

静かな日常に潜む傷痕

爆撃の合間に、私は1992年に母国で起きたアブハジア紛争のある映像を思い出していた。ロシアが分離主義勢力をけしかけて起こしたあの紛争中、ジョージア人の父親が息子の遺体に素手で土をかけている映像だ。その男性は言っていた。「こんなことを誰が許せる? 世代が下っても絶対に許さないぞ」。そのとおり。ジョージア人は今もロシアを許していない。ウクライナ人だって、ロシアを許すことは絶対にないだろう。

筆者のSNS投稿より
ウクライナ人の心は決して折れない
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