8歳の頃のアレックス・イーラ(Alex Eala)
8歳の頃 COURTESY OF ALEX EALA

家族ぐるみのテニス愛

「テニスを始めたのは祖父との絆を深めるためだった。両親は子供たちにスポーツをさせたいと考えていて、3歳年上の兄が道を切り開いてくれた。私は赤ん坊の頃から兄の練習に連れていかれて、見ていた。だから両親は、私がそれなりの年齢になると、おまえの番だ、という感じでテニスをやらせてくれた。それ以来、テニスを愛している」

フィリピンでは、テニスは必ずしも人気のスポーツではない。同級生の多くは別の競技に取り組んでいたが、イーラは家族ぐるみでテニスと向き合い続けた。「テニスなしの暮らしなんて考えられない。ずっとテニスに囲まれていた。だから自然とテニスへの愛が深まり、大きくなった」

まさに純粋培養だが、いつまでも小さな培養器に閉じ籠もってはいられない。「本当に成功したいならフィリピンを出て腕を磨かなくちゃいけない。それはみんな分かっていた」と、イーラは言う。

そのチャンスは、2018年に訪れた。男子テニス界のレジェンドで「赤土の帝王」ことラファエル・ナダルが母国スペインのマヨルカ島に開設したラファ・ナダル・アカデミーに招かれたのだ。

地球の裏側まで飛び、世界中から集まったエリート選手に囲まれてテニス漬けの日々を送るのは、きっとストレスいっぱいなはず。でも、それくらいでへこたれるイーラではなかった。お世辞にもテニス強国とは言えない祖国フィリピンにいた頃から、ハードワークには慣れていた。

12歳のときから、朝5時にはジムにいた
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