国民党の難しい綱渡り

中国の対応は早かった。中国外務省の郭嘉昆(クオ・チアクン)報道官は2月17日の記者会見で、アメリカの「台湾関連問題の立場が深刻に後退」し、台湾の独立派に「著しく誤ったシグナル」を発していると米政府を非難。「今すぐ過ちを正すよう求める」と発言した。

折しも、中国は「独立勢力」を法的に弾圧する動きを強めている。昨年6月に新たな司法指針を発表し、主権国家に資格が限定される国際機関への台湾加盟の推進は国家分裂行為であり、死刑も含む処罰の対象になると定めた。

問題は、中国が米国務省による改訂を、台湾独立への直接的支持と解釈するかだ。

戦略的曖昧性からの離反と見なした場合、中国はさまざまな反応に出るだろう。大規模軍事演習やグレーゾーン戦略(平時でも戦時でもない状態での作戦)といった台湾周辺での軍事的活動、米企業や台湾企業を標的にした経済的威圧を強化するかもしれない。外交的な報復措置として、米中の協力関係を格下げしたり、国際的な緊張をエスカレートさせることもあり得る。

「アメリカの挑発」に対するこれまでの反応を考えれば、最も可能性が高いのは軍事的シグナルだ。中国軍戦闘機による台湾のADIZ(防空識別圏)侵入などが想定できる。

台湾の最大野党・国民党にとって、事態はより複雑